グローバルにつながるオンライン日本語教育シリーズ 第8弾
イベント情報
開催日
2022/3/26(土)
開催時間(日本時間)
21:00〜23:00
世界の日本語教育機関の代表からなる日本語教育グローバル・ネットワーク(GN)加盟団体では、各団体が主催・連携して企画・運営する「グローバルにつながるオンライン日本語教育シリーズ」を行っています。COVID-19による日本語教育国際研究大会(ICJLE2020)の延期の中、次回の日本語教育国際研究大会までに、国際連携を途切れることなく推進するため、世界中の日本語教育に関わる実践者や研究者を「つなげていく」ことを目指しています。
2021年3月に実施して好評だった「オンライン交流会」を今年も開催いたします!
「オンライン交流会」では、世界中の日本語教育・学習に関心のある人たちがグローバルに新たなつながりを持てるようになることを目指しています。事前登録した発題者がZOOM のブレイクアウトセッションを用いて、 実践、研究していること、やってみたいと考えていることを発題し、参加者と意見交換、情報交換を行います。 同じ興味や関心、問題意識を持つ仲間を探してみませんか?
主催 公益社団法人日本語教育学会国際連携委員会
協力 日本語教育グローバル・ネットワーク
カナダ日本語教育振興会
韓国日本学会
豪州日本研究学会
シンガポール日本語教師の会
全米日本語教育学会
ニュージーランド日本研究学会
香港日本語教育研究会
ヨーロッパ日本語教師会
お問い合わせ先 公益社団法人日本語教育学会国際連携委員会
E-mail gn-nkg@nkg.or.jp
参加申込締切: 2022年3月23日(水)23:59(日本時間)
申込多数の場合は抽選を行います。
スケジュール
イベント当日まで
各話題提供者の発題概要を説明する5分程度の動画をイベント参加申込者のみがアクセスできるPadletのページにて公開いたします。イベント開催日までに動画をご覧いただき、Padlet上で積極的に意見交換をしていただければと考えております。なお、3月26日(土)のイベント当日に参加することができない方も、概要動画の視聴及びPadlet上でのやりとりにご参加いただくことは可能です。ご興味のある方は、ぜひ参加申込をしてください。
3月26日のイベントの参加者には、3月24日(木)にZOOMのURLをお送りいたします。参加申込者多数の場合は抽選を行います。何卒ご理解のほど、お願いいたします。
2022年3月26日(土)のスケジュール
【日本時間】
21:00~21:05 開会/趣旨説明
21:05~22:00 発題【前半】
22:00~22:55 発題【後半】
22:55~23:00 閉会
前半(21:05~22:00)の発題題目・概要
発題番号(1)
「教える」と「学ぶ」をつなぐ日本語教育実習
宮谷敦美(愛知県立大学)・工藤節子(東海大学(台湾))
コロナ禍によりオンライン教育交流の機会が増えている。本報告では2021年秋学期に海外の2大学(愛知県立大、台湾・東海大)が実施した、学習者と学習支援者を結ぶ教育実習を紹介する。学生がさまざまな立場(教える、支援する、観察する、学ぶ)から作り上げる授業とその振り返りから生まれる気づきと予想外の学びについて、参加学生と共に経験を共有し、オンラインによる協働の教育実習の新たな可能性について意見交換する。
発題番号(2)
日本語教師のサードプレース
村上吉文(国際交流基金)
毎週金曜日の夜に「#Zoomでハナキン」というオンラインイベントを開いています。2021年の #zoomでハナキン にご参加くださったのは、延べ人数6874人、ユニーク参加者数885名で、新設部屋数は423部屋、参加国数は55カ国でした。自宅でも職場でもない日本語教師の第三の居場所です。皆さんも是非いらしてみてください。
発題番号(3)
ベトナム母語話者の大学4年生に「多聴解」活動の試み
Tran Nguyen Bao Vy(ホーチミン国家大学)
筆者は激しい能力格差の影響及び聴解活動に対する拒否感やストレスを軽減するため、大学の4年生を対象にして普通の聴解授業を挟んで、Extensive Listening(多聴解)の活動を試みた。今度の実践を通して、Extensive Listening(多聴解)の活動は学習者の聴解に対する反感を軽減するだけではなく、ある程度外国の環境での日本語学習の困難点の一つ、十分な音声インプットがないという問題の解決法になれると言える。だが、どうやって活動を設計したら学生の聞き取る力を高めるかなどに関してはまださまざまな工夫が必要であろう。
発題番号(4)
漢字指導のあり方について
小室リー郁子(トロント大学)
漢字指導は教師のビリーフが大きく反映される領域の一つです。指導に時間をかけない人もありますし、時間をかける場合も、何に重点を置いて指導しているかは人によって異なります。本セッションでは、漢字指導におけるビリーフやこれまでの経験について現場の先生方と意見交換を行いたいと思っています。オンライン環境によって新しく生まれた(気づいた)問題点やチャレンジについても具体的な経験を共有できればと思います。
発題番号(5)
オンライン日本語多読クラブを1年間やってみた!
高橋亘(神田外語大学)・粟野真紀子(NPO多言語多読)・作田奈苗(NPO多言語多読)・片山智子(東京大学)・纐纈憲子(米国ノートルダム大学)
オンライン日本語多読クラブは、NPO多言語多読の会員有志が2020年11月から隔週で行っている無料イベントです。口コミで世界中の日本語学習者に広まり、これまで30以上の国と地域から延べ250名以上が参加してくれました。当日は、クラブでどのように支援をしてきたかを参加者の皆様と共有し、より良い支援方法について考えたいと思います。https://bit.ly/3GiJ28o
発題番号(6)
日本語教員は「教える」だけ?―日本語教員の管理運営業務プロジェクトの活動紹介と意見交換
中川健司(横浜国立大学)・平山允子(日本学生支援機構)
日本語教員の仕事には、「日本語を教えること」だけでなく、所属組織の管理運営に関する幅広い業務があります。カリキュラム作成、時間割・授業シフト作成に、会議運営、学生対応、イベント開催、教員の労務管理、さらには広報、衛生管理など…。私たちはこのような管理運営業務に着目し、様々な立場の日本語教員がより働きやすくなることや、各々の所属組織の運営がより改善されることへの貢献を目指して活動しています。
発題番号(7)
メールコミュニケーションにおける学生の意識の変化と指導の必要性
池田雅美(マサチューセッツ工科大学)
デジタルネイティブのメール離れが進み、教師と学生間のコミュニケーションに支障を来たすことが多くなった。この傾向は対面でのコミュニケーションが困難なパンデミック禍に顕著化し、メール返信だけでなく、学生のメールでの問い合わせや依頼の仕方にも指導の必要性を感じるようになった。本セッションでは学生からの推薦状依頼メールの実例を交えて、この問題について考えてみたい。
発題番号(8)
「グローバル」について考える
鈴木貴美子(Haverford College)
一年ほど前のグローバルネットワークのイベントの時にZoomのグループで一緒になった方々と今も交流があります。そして、日本での日本語教育の現状(例:技能実習生に教える日本語教育、など)を聞く機会が増えました。普段、自分が教えている環境(北米のリベラルアーツの私立大学)と全く違う状況で、考えさせられることが多いです。そして、このイベントのタイトルにもある「グローバル」ということについて一義的な意味で使われていることが多いのではないかと強く感じるようになりました。ですので、みなさんが考えている「グローバル」についての意見交換を通して、何か新たな視点や意味を見いだせる時間が持てたらと思っています。
発題番号(9)
ファシリテーション能力を養成する日本語会話クラブの実践報告―ブルネイ大学との協同実践
松下恵子(和歌山大学)
2021年9月と12月に和歌山大学の留学生とブルネイ大学やベトナム・バリアブンタウ大学の日本語を学ぶ学生とでオンラインの日本語会話クラブを実施した。日本語会話クラブは、本来であれば日本語会話能力の向上を目的に行うが、和歌山大学では留学生のファシリテーション能力の向上を目指し、留学生それぞれがイベント運営の側面からどのように場をファシリテートしていくかということを重視した。また、ブルネイ大学においても担当の先生が本イベントにおける目標を設定し、その目標に向けた事前指導を行った。今回の報告では、9月と12月に行った会話クラブの報告と、この実践をどのように発表していくかということについて相談したい。
発題番号(10)
「複文化能力」「複言語能力」を高める教室活動
倉八順子(東京富士語学院・和洋女子大学)
それぞれのアイデンティティが尊重されることが多文化共生社会を創造していくという理念の実現のためには、教室で学生たちと対話活動を行う日本語教師が、「複文化能力」「複言語能力」を身につけていることが大切です。「複文化能力」「複言語能力」について共に学ぶ仲間をみつけ、どのような教育実践・対話活動が「複文化能力」「複言語能力」につながるかを考えたいです。
発題番号(11)
海外の日本語教育の継続性を考える―東アフリカの事例から
瀬戸彩子(神田外語大学)・原口望友紀(元JICA海外協力隊)
タンザニアで日本語教育が始まって13年が経ちます。当初から日本語教師はJICA派遣の海外協力隊員のみで、派遣が止まれば日本語教育も止まるという不安定さを抱えています。私たちはタンザニアの元教師として、その継続について考えています。この会では、東アフリカの事情を紹介するとともに、参加者のみなさんが関わってきた世界各地の日本語教育の黎明期や成長期についてお話を伺い、継続に必要な要素を考えていきたいと思います。
発題番号(12)
「文化」と「ことば」をどうつなぐ?―オンライン文化交流の実践から見えてきたこと
森川結花(甲南大学)・谷川依津江(岡山理科大学)
ことばが先か、文化が先か。私たちは、いくつかのオンライン国際交流活動を通し、お互いの文化や生活についての対話を体験するによって外国語学習への動機が芽生え強まっていく学習者の姿を確認することができた。しかし、現実問題として、“文化を先にする”日本語教育を実現することは可能であろうか。日本語教師へのインタビュー結果を踏まえ、実現可能な日本語教育の中での文化要素の扱い方を考えてみたい。
発題番号(13)
愛知県の子どもたちとともに、自然の中で日本語を使おう
松崎かおり(南山大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
愛知県は言語文化多様な子ども(CLD児)が多く生活しており、自然が豊かだという特徴があります。CLD児が日本語を使用しながら日本人児童と共に、田植え、動物観察、ゴミ拾いなど環境にまつわる取り組みをし、学びを作品にまとめるといった活動を考えています。言語を学ぶのではなく、言語を使用して子どもたちの経験と学びを深めるものにしたいと考えています。他の地域の実践者の方々と共に内容を深めていきたいです。
発題番号(14)
西アフリカ日本語教育研究会の発足と今後の展望―日本語教育未実施の国トーゴにおける日本語教育の開拓を目指して
アドゥアヨム・アヘゴ 希佳子(宝塚大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
国際交流基金の調査によると、西アフリカのトーゴという国では、日本語教育が全く行われていない。そのような国で日本語教育を始めたいという場合、一体何をすればよいのだろうか。今年度は西アフリカ日本語教育研究会を発足し、隣国ベナンの日本語学校の関係者に話題提供をお願いして研究会を2回企画した。今後の展望について語るとともに、世界各国で日本語教育に携わるみなさまからご意見をうかがいたい。
発題番号(15)
コロナ禍の日本語教育における日中韓オンライン国際交流プロジェクト―オンラインによる日中韓教育者同士の対話による連携―
黄明淑(東京福祉大学)・杉野知恵(駒沢女子大学)・趙彦志(復旦大学)・劉瑞利(中山大学)・張晶(北京大学)・白以然(高麗大学)・全明(広東外語外貿大学)・吉田麻衣子(新羅大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
グローバル化が加速し、多文化共生を避けては通ることができない昨今の社会情勢の中、人的交流を主目的とした国際交流プログラムが様々な形で行われ、具体的な改善策を模索され、その有効性が検討されてきた。しかしながら、コロナ禍のために、移動を伴う人的国際交流には厳しい制限が課せられ、国際交流のあるべき姿を見直さねばならない事態となった。本実践では、コロナ禍の中、日本と中国、韓国にて日本語教育に携わっている日本語教員らを対象に、授業活動への不安点や戸惑い、困難点などについて、半構造化インタビューを行い、互いの教育メソッドやノウハウなどについて共有する。それによって、コロナ禍における日本と中国、韓国の日本語教師同士の連携を図り、オンラインによる国際交流の新たな取り組みを試みたいと考える。さらに、本実践はコロナ時代における国際協働ネットワークの強化や国際交流推進に寄与できると考えられる。
後半(22:05~22:55)の発題題目・概要
発題番号(16)
オンラインツールを活用した双方向授業の試み
望月貴子(香港浸会大学)
コロナ禍中の教育現場では従来の対面スタイルのみならず、リアルタイムのオンライン・オンデマンド・ハイブリッド・ブレンド型など様々な形態の授業がニューノーマルとなった。教室のICT環境が整いつつある一方で、学習者の姿が見えないことに不安を感じる教師も多い。ここではGoogleアプリなどオンラインツールを駆使した「見える授業」の取り組みについて経験を共有する(という体で授業のコツやネタについて語り合う)。
発題番号(17)
日本語教育におけるオンラインプラットフォームMoodleの使用方法
志喜屋カロリーナ(青森中央学院大学)
Moodleを使った実践を紹介しますが、Moodleはもちろん、他のオンラインツールについても共有する場になれば嬉しいです。学習者への課題として与えるものではなく、授業内で使用することに対して興味があります。よろしくお願いいたします。
発題番号(18)
オンライン授業実践報告―インド人大学生を対象としたオンライン初心者向け授業の成果と見えた課題
岩崎美紀子(岩崎言語教育プログラム開発)
2003年以来アジア諸国(ベトナム、フィリピン、中国、韓国、ミャンマー)およびコンゴ民主共和国において実践、確実に成果を上げてきた独自開発の教授法を用いて2020年コロナ禍の最中にインド人大学生60名にオンラインによるトライアル授業を提供した。その手法と成果、およびオンライン故に得られなかったと思われる成果と、実践を通して感じたオンライン授業の限界・課題について報告する。
発題番号(19)
オンラインのカルタと神経衰弱形式のゲームと音声変換ツールの開発。そして、素人でも使えるゲームの紹介
萩原あみ(University of Northern British Columbia)
現在、オンライン日本語クラスにおいて使える神経衰弱形式のゲームと、カルタ形式で使えるオンラインカードゲームとボタン一つで男性・女性の声に切り替えられる音声変換ツールを開発中です。3月までに出来上がったものを紹介します。今まで使ったゲームの中で、オンラインや対面で学生達が楽しんでくれたオンラインゲームをいくつか紹介したいです。
発題番号(20)
日本語教育の場におけるマイクロアグレッションについて考える
望月良浩(University of Michigan)
マイクロアグレッション(ありふれた日常の何気ない言動が、社会的に周縁化されている集団の属性 - 人種、ジェンダー、性的指向など - を軽視したり侮辱したりする否定的表現となって積み重なること)は、日本語の教室内でも日常的に起こっているものです。様々な事例をシェアし合ったり、教育経験を批判的に振り返ったりして、学習者が安心して学べるインクルーシブな教室コミュニティ作りに向けて、意識改革・行動変革を行いませんか。
発題番号(21)
多様な特性のある学習者たちへの外国語教室での支援とは―多様な特性のある学習者たちはどのような合理的配慮を必要としているか
朴智淑(University of Toronto)
発達障がいのある学習者の支援、さらには発達障がいという診断の有無に関わらず、多様な特性のある学習者の支援は私たち教育関係者の責務であると言えるでしょう。しかしながら、様々な理由で教師たちは学習者への個別の支援や適切な配慮などを模索しながら、場当たり的なやり方で支援を試みているのが現状ではないでしょうか。当日は具体的支援例などを参考に、外国語教室で学習者たちがどのような合理的配慮を必要とし、教師としてどんな支援ができるかみなさまと一緒に考察し、話し合えたら嬉しいです。
発題番号(22)
反転授業の実践報告―ビデオ作成のための8つのコツと見させる仕掛け
石川比奈子(カルガリー大学)
2020年の5月から手探りではじめた反転授業。「せっかく作ったビデオを見てこない」など数々の失敗や経験から、今現在ベストだと思われる反転授業の方法をシェア。ビデオ作成に取り入れた8つのコツとビデオを見させる仕掛けをご紹介します。
発題番号(23)
オンライン教材の共有を目指して―H5Pを使ってアニメの会話ビデオ教材を作ってみませんか
竹井尚子(Simon Fraser University)・青木裕美(University of Alberta)
昨今、反転授業に使える様々なアプリやサービスが利用できるようになりましたが、教師が個人で教材を作成するには相当の時間と労力がかかります。そんな中でH5Pは、学習者が視聴するときに受け身になりがちな学習ビデオをインタラクティブなものに変えられ、それを容易に他の教師とも共有することができます。H5Pの初心者も熟達者も、一緒に有効なH5Pの使い方について考えてみませんか。集まりでは、H5Pに使えるアニメの会話ビデオも紹介します。
発題番号(24)
JLPT読解得点UPを狙って―ZOOMを用いたオンライン授業の可能性
沈佳琦(大海語言学院)
2015年田舎に引っ越したことがきっかけで、地域制限を受けない日本語授業のやり方を考えているところ、ZOOMシステムを知った。そこからZOOMを用いたオンライン日本語授業の可能性について、日々の実践を通して実感している。特にJLPTの読解に関する対策授業において、多くの発見があり、学習者からも好評されているため、その心得が分かち合いたいのである。
発題番号(25)
オンラインによるアクティブ・ラーニングの授業効果―LearnWiz Oneの学習ツールを用いた双方向的学習の授業実践
黄明淑(東京福祉大学)
COVID-19による感染拡大の影響により、たくさんの大学は従来の対面教育からオンライン教育やバイブリッド型教育へのシフトを課せられ、対面教育の在り方の見直しやオンライン教育の新しい試みが求められるようになった。しかしながら、よりよいオンライン教育を目指すためには、既存の対面授業の教授法をオンライン教育に置き換えるのではなく、オンラインならではの新しい教授法(新しい学習ツールやデジタル・コンテンツなどを含める)の活用を模索・工夫すべきであると考え、本研究ではオンラインの学習ツールであるLearnWizOneによる授業実践を行なった。分析の結果、LearnWiz Oneによる学びを通して、オンラインでの参加型学習を通して、学習者主体による気づきを促すことができた。また、教員と学習者同士の双方向によるインターアクションを通して、対話型授業による深い学びの授業効果が得られた。
発題番号(26)
中堅日本語教師研修での僕たち私たちの学び―2019年度「日本語教育学会の人材,知財,ネットワークを活かした中堅日本語教師のための研修事業(略称: JCN研修)」を受講して
津坂朋宏(東京福祉大学)・安原凜(環太平洋大学)・前田和則(崇城大学)・惟任将彦(大阪YMCA学院)・安達万里江(関西学院大学)・平山允子(日本学生支援機構)
2019年5月1日~2020年2月28日、私たちはJCN研修の第一期生として、他の参加者と協働して各自の課題を探究しました。研修修了後も活動の場を広げて研修成果を発表したり、情報共有や勉強会を行ったりしています。昨今は国の内外を問わず、研修や勉強会に携わっている方も多いと思います。ここでは私たちがJCN研修で学んだことを共有し、皆さんと一緒にこれからの中堅日本語教師研修について語り合いたいです!
発題番号(27)
ヒンディー語を母語とする日本語学習者のための連想法を用いたひらがな教材の開発
羽持悠希(元JICA海外協力隊)・井元麻美(京都外国語大学大学院生)・目黒裕将(京都外国語大学大学院生)
ヒンディー語を母語とする日本語学習者のための連想法を用いたひらがな教材開発を始めました。対象は北インドの初中等教育です。現在、手探り状態で教材の作成方法、検証方法などいろいろ悩んでおります。そこで、参加者のみなさんとひらがな導入方法(問題点・工夫点)、使用されている教材、連想法を用いた教材などについてお話しできればと思っております。
発題番号(28)
教師教育用教材『ケースで考える! 誰も教えてくれない日本語教育の世界(仮)』の紹介
有森丈太郎(University of Toronto)・牛窪隆太(東洋大学)・古屋憲章(山梨学院大学)・大隅紀子(NPO法人YYJ・ゆるくて やさしい日本語のなかまたち)・瀬尾匡輝(茨城大学)・ 瀬尾悠希子(東京大学)・中尾有岐(国際交流基金関西国際センター)・楢原ゆかり(一般企業,フリーランス)
私達は日本語教師を目指す人や日本語教師になったばかりの人を対象とするケース教材を開発しています。教材には、私達が日本語教師として働くなかで経験してきた葛藤場面をもとに作成した14のケースが掲載されています。読者は教材に示されている問いを通して対話と省察を行い、各ケースのテーマへの理解と自身の考えを深めます。発題では、今年11月頃に刊行予定の本教材の一部をお見せし、教材の活用方法を紹介できればと考えています。
発題番号(29)
異母語話者がお互いに母語で会話をするときのコミュニケーション・言語学習への影響について
黒川紘貴(目白大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
私は母語が違う言語学習者達がお互いに母語で会話をする方法が今までにないコミュニケーション方法、言語学習に繋がるのではないかと考え、韓国と日本地域についてグローバル人材奨励プログラムにて検証活動を致しました。韓国人日本語学習者の多くはお互いに学習言語、もしくは日本語に統一して会話する方法が最適だと思う人が多かった結果になりました。私は韓国人と日本人での検証を行いましたが、より大きな規模・他の地域での事例や今までの経験、アイデアなどたくさんのお話をお聞きしたいです。よろしくお願いします。
発題番号(30)
コロナ禍で孤立した海外日本語教師をつなげるプロジェクト
吉井雄樹(西安電子科技大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
本プロジェクトでは2021年9月から2022年1月まで研究会を毎月開催してきました。それは発題者のようにコロナ禍において海外の教育機関でキャリアを開始する日本語教師が現地にもいけず、日本でも孤立したなかで授業をおこなわなければない状況にあったためです。そのような状況の日本語教師が国境をまたいでオンライン上で集まり、情報交換や交流の場とする機会を作りました。当日は、その成果報告や意見交換などができればと思います。
発題番号(31)
Withコロナの日本語教育とつながり
占部智香・山本紗里菜(長崎国際大学)
※2021年度日本語教育グローバル人材奨励プログラム受給者
ロシア ハバロフスク市太平洋国立大学で日本語教員をしていらっしゃる石井雅也先生の協力を得て、インタビューやアンケート調査、ワークショップ、2回の交流会を実施しました。コロナ禍ということもあり、すべての活動をオンラインで行っています。ワークショップ、交流会には、主に太平洋国立大学で日本語を学んでいる学生と長崎国際大学の学生が参加しました。この内容について今回、みなさんと共有させていただきたいと思います。
発題番号(32)
「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」説明・相談会
日本語教育学会 国際連携委員会
「日本語教育グローバル人材奨励プログラム」とは、日本国内の日本語教育分野の若手研究者・実践者が海外の日本語教育現場の協力者とともに行う実践や研究に関する活動の費用の一部または全額を助成するプログラムです。一般社団法人尚友倶楽部の支援をもとに、日本語教育学会が実施しています(http://www.nkg.or.jp/kokusaiをご参照ください)。本セッションでは、助成プログラムについての質問等を受け付けますので、ご関心がある方の参加をお待ちしています。